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行政法:行政組織法とは・・


◆行政活動の主体
行政主体の手足として活動するのが行政機関であり、そのうち最も重要なのは行政庁である。

◎行政主体とは
◇行政主体とは何か
行政主体とは、行政を行う権利と義務を有し、自己の名と責任をもって行政行為を行う団体のことです。行政は、国民へのいわばサービス行為であり、公共の利益のために必要不可欠な仕事のうち、私人では行うことが困難なものを、国や公共団体の力で実現するものです。そのために、団体をつくり、その団体が行政主体として行政行為を行うことになります。

◇行政主体の種類

行政主体は、国と公共団体に大きく分かれます。公共団体の代表は地方公共団体であり、このほかに特殊法人や独立行政法人などが存在します。

◇行政主体の種類
◇行政主体
◇国
◇公共団体
・地方公共団体
・特殊法人
・独立行政法人

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①地方公共団体
地方公共団体には、普通地方公共団体である「都道府県」、「市町村」と、特別地方公共団体である「特別区」、「地方公共団体の組合」、「財産区」があります。
(詳細→「地方自治とは・・」

②特殊法人
特殊法人とは、特定の事業を実施するために、特別の法律に基づいて設けられる法人のことです。国・地方公共団体の出資等によって設立されます。特殊法人はさらに、営造物法人と公共組合とに分類されます。

◇営造物法人
法律により設立された財団的な性格をもつ団体であり、企業的な経営手法により、独立採算方式で合理的な事業経営が可能な分野に設立された法人

◇公共組合
公の行政に関する特定の事業を行うために特別の法律に基づき設立される、社団的な性格をもつ団体

③独立行政法人
独立行政法人とは、従来は国が行ってきた行政活動のうち、一定のものを省庁から切り離し、これを独立して行わせるために設立される法人のことです。独立行政法人は、中央省庁再編に伴う行政の効率化・スリム化を目的として、1999年の行政改革で設けられました。これにより、事業運営の効率性や透明性が向上するものとされます。

◎行政機関とは
◇行政機関とは
行政機関とは、行政主体に効果を帰属されるため、その手足となって現実に職務を行う機関をいいます。

◇効果帰属
法律によって、行政機関には一定の所掌事務、つまり権限と責任が割り当てられます。行政機関がその権限の範囲内で行う行為の効果は、法律上もっぱら行政主体に帰属し、行政機関には帰属しません。

◇行政機関の種類
行政機関は、それらが有する権限に応じて、①行政庁、②諮問機関、③参与機関(議決機関)、④監査機関、⑤執行機関、⑥補助機関の六つに分かれます。それらが営む機能と具体例をまとめると、次のとおりです。

◇行政機関の種類と具体例
◇行政庁
営む機能は、行政主体の法律上の意思を決定し、外部に表示する権限をもつ機関のこと。行政作用上、最も重要な行政機関といえる。具体例は、各省大臣、都道府県知事、市町村長、独立行政委員会になります。

◇諮問機関
営む機能は、行政庁から諮問を受けて意見を具申する機関のこと。各種審議会の答申(意見)は法的には行政庁を拘束しないが、最大限尊重するべきものとなる。具体例は、各種審議会(法制審議会、中央教育審議会など)になります。

◇参与機関(議決機関)
営む機能は、行政庁の意思を拘束する議決を置こう行政機関のこと。諮問機関より、より専門性が高い。たとえば電波監理審議会の議決は、総務大臣の決定を拘束します。具体例は、労働保険審査会、検察官適格審査会、電波監理審議会などになります。

◇監査機関
営む機能は、行政機関の事務や会計の処理を検査し、その適否を監査する機関のことです。具体例は、行政評価事務所、会計検査院などになります。

◇執行機関
営む目的は、行政目的を実現するために必要とされる実力行使を国民の身体や財産に対して行う行政機関のこと。具体例は、警察官、徴税職員、消防職員などになります。

◇補助機関
営む目的は、行政庁その他の行政機関の職務を補助するために、日常的な事務を遂行する機関のこと。具体例は、副大臣、各省の事務次官、局長、課長などになります。
(詳細→「行政機関とは・・」

◇行政庁の意思決定
行政庁が意思決定をする方法として、①独任制と②合議制の二つがあります。
行政庁は独任制による意思決定を行うのが原則です。多種多様な行政需要に迅速に応え、責任の所在を明確にする必要があるからです。したがって、各省大臣、都道府県知事、市町村長などおもだった行政庁は、いずれも独任制をとっています。
このように、行政庁は独任制が原則ですが、専門技術的な判断を必要とする領域や、政治的中立性が要求される領域については、各界の識者や利害関係人等の合議によって公正さを保障する必要があります。したがって、このような領域では、例外として合議制が採用されています。

◇行政機関の権限
法律による行政の原理から、行政機関の権限は、それぞれ法令によって定められています。行政機関は、その権限の範囲内においてのみ活動できるにすぎません。
しかし、自ら権限を行使できない状況になることも考えられます。そのような場合に備え、権限の代行が決められています。また、行政機関の意思統一には、権限の監督や協議も重要です。

◇権限の代行
各行政庁が、病気や重傷などの一定の事由が発生したために自ら権限を行使することができない場合に、他の行政機関にその権限の全部または一部を行使させることができます。これを権限の代行といいます。権限の代行には、①権限の委任、②権限の代理、③代決(専決)の3種類があります。

①権限の委任
権限の委任とは、自己に与えられた権限の一部を他の機関に行わせることをいいます。委任は、法令に定められた権限の一部を他の機関に移すものですから、法律の根拠が必要です。また、その際に権限が誰にあるかの所在地を明らかにするために、公示が必要です。
ただし、権限の全部または主要な部分を他の機関に委任することはできません。仮にこれが許されると、その行政機関に権限を分配した意味がなくなるからです。
権限が委任されると、委任した行政庁などの行政機関はその権限を失います。いわば、行政機関の権限の一部を丸ごと、他の行政機関(行政庁の下級行政機関または補助機関であることが多い)に移してしまうことになります。
そして、委任を受けた機関(受任機関)が、自己の名と責任で、その権限を行使することになります。

②権限の代理
権限の代理とは、ある行政機関が他の行政機関に代理権を与えることをいいます。
権限の代理の場合、代理期間は権限行使を代わりに行うにすぎず、権限そのものは代理機関に移転しません。本来の行政機関が権限を有したままです。したがって、権限の代理の効果は、代理機関でなく、被代理機関に帰属します。
権限の代理には、授権代理と法定代理の2種類があります。

◇代理の種類
◇授権代理
意味は、行政機関からの授権に基いて発生する代理関係です。
法律上の根拠は、授権するための法律上の根拠は不要です。
被代理機関による代理機関の指揮監督は、代理機関を指揮監督できます。

◇法定代理
意味は、行政機関に事故などがあった場合に、法律に基づいて当然に発生する代理関係です。法律上の根拠は、授権するための法律上の根拠が必要です。被代理機関による代理機関の指揮監督は、代理機関を指揮監督できません。被代理権限の権限のすべてを代わって行うためです。

③代決(専決)とは
代決(専決)とは、本来ならば行政機関の決済をとるべきものについて、その補助機関が決算をすることです。この場合において、外部との関係では、本来の行政機関の名で表示させます。
(詳細→「行政機関の権限とは・・」


◇権限の監督
行政組織は、行政意思の統一性と責任の所在の明確性を確保するために、上級の行政機関には、下級の行政機関の権限の行使のあり方を指揮監督する権限があります。いわば、ピラミッド型の上命下服組織で構成されているのです。
具体的な上級行政機関による指揮監督権は、次に示すとおりです。

◇監視権
上級行政機関が下級行政機関の事務の執行を調査したり、事務の執行について報告させる権限

◇許認可権
下級行政機関の事務遂行を事前にチェックするため、あらかじめ権限行使について許可や認可を求めるように要求する権限

◇訓令・通達権(指揮命令権)
上級行政機関が下級行政機関を指揮することができる権限で、明文の規定がなくても行使できる

◇取消し、停止権
上級行政機関が職権によって、下級行政機関の違法・不当な行為を取消しまたは停止する権限

◇権限争議決定権
下級行政機関の相互に権限の有無や範囲について争いがある場合に、上級行政機関が解決する権限

◇協議
協議は、対等な関係に立つ行政機関の間において、意思統一を図る方法です。一つの事項が、複数の行政機関の権限に関係する場合に、行われます。協議が法律上義務づけられている行政行為は、これを経ないでなされた場合に、当該行政行為は無効となります。

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◆国の行政機関
国の行政機関には省、委員会、庁があり、法律の定めにより設置または廃止される。

◎内閣と内閣府
◇内閣
内閣とは、その長である内閣総理大臣と14名(東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部が置かれている間は15名、復興庁が廃止されるまでの間は16名)以内の国務大臣から構成される合議機関をいいます。

◇内閣府
内閣府とは、内閣に設置され、内閣の事務を補助する機関のことです。各省庁において別々な角度でなされる政策を総合的に調整していく役割を担当しています。内閣府の長は、内閣総理大臣です。

◇復興庁
復興庁は、内閣に設置され、東日本大震災からの復興に関する施策の企画および立案ならびに総合調整や、復興に関する行政各部の事業の統括および監理等を行う機関です。復興庁の長は内閣総理大臣であり、内閣総理大臣を助け復興庁の事務を統括するため、復興大臣が置かれます。復興庁は、機関を限定して設置されています。

◎その他の行政機関
複雑多岐にわたる行政を実際に担当しているのは、内閣の統括の下に置かれた各行政機関です。国の行政機関は、省、委員会および庁とし、それらの設置および廃止は、法律が定めるところに従います。


◆公物
公物は、使用する目的の違いによって、公共用物と公用物とに分類することができる。

◎公物とは
◇公物の意味
公物とは、たとえば道路、河川、公園や庁舎等のように、国または公共団体の行政主体により、直接に、公に目的のために使用される有体物といいます。
公物の意味を明確にする趣旨は、その物の管理責任の所在を明確にして、その物のによって市民が損害をこうむった場合は、その管理責任者に責任を負わせる点にあります。たとえば公物である道路の欠陥によって事故が発生した場合は、行政主体が責任を負うことになります。

◇公物の分類
公物は、使用する目的の違いによって、公共用物と公用物とに分類することができます。

◇公共用物
直接に、市民の共同使用に供される物のこと

◇公用物
国や公共団体の使用に供される物のこと

◎公物のその他の分類

公物は、次の表に示す①そのままの状態で使用されるか、②所有権の所在、③保管管理の制限、④将来使用されるものか等の区分によっても分類することができます。

◇使用される状態
◇自然公物
自然の状態で公の用に供される物(例:河川など)

◇人工公物
行政主体が人手をかけて公の用に供することで公物となる物(例:道路、公園など)

◇所有権者
◇国有公物
所有権が国にある公物

◇公有公物
所有権が地方公共団体にある公物

◇私有公物
所有権が私人にある公物(道路法・河川法)

◇保存管理の制限
◇保存公物
もっぱら公の目的のためにその物自体の保存や管理に制限を加えている公物(例:重要文化財、保安林など)

◇将来の使用の予定の有無
◇予定公物
将来公の目的に供せされる物
(例:河川予定地、道路予定地など)

◎公物の成立と消滅
◇公共用物の成立と消滅
公共用物は、次の要件が満たされると成立し、消滅します。

◇成立要件
①実体的要素
行政主体がその物の使用権を取得し、かつ国民の使用に供されていること

②意志的要素
公の目的に供する意思およびその公示が存すること

◇消滅要件
実体的要素の滅失または行政主体の滅失の意思表示およびその公示

◇公用物の成立と消滅
公用物は、次の要件が満たされると成立し、消滅します。

◇成立要件
行政主体がその物の使用を開始すること

◇消滅要件
事実上、その物の使用を廃止すること

◎公物の時効取得
たとえば、市民が公物を長時間、自分の物として占有した場合に、一般市民は公物を時効取得できるでしょうか。行政財産に対する私権の設定についての法律の規定と判例の見解を整理します。

◇行政財産に対して私権を設定できるか
国有財産法により、私権の設定は禁止されている

◇公物の時効取得はできるか
一定の要件を満たせば可能
①公物の売渡処分が無効であることを知らないで占有した者に対して、特別の事情がない限り、時効取得を認める
①公物であっても、長年の間、事実上公の目的に使用されず、黙示の公用廃止があったとみられる場合は、行政庁の明確な公用廃止の意思表示がなくても、時効取得できる

 





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(記事作成日、平成29年3月6日)



 

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