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地方自治法:地方公共団体の機関とは・・


◆議会

 ◎地方公共団体の議会とその構成

  普通地方公共団体の議会は、議員のなかから議長および副議長一人を選挙し
  なければならない。

  ◇地方公共団体の議会とは

   ◇普通地方公共団体と議会

    普通地方公共団体が意思決定をして活動するための機関として、普通
    地方公共団体には議会が置かれます。地方議会は、住民の意思を反映
    する、普通地方公共団体の議決機関として活動するのです。

   ◇地方公共団体の議会の性格

    地方公共団体においては、その長も住民が直接選挙することを憲法93
    条が保証しています。したがって、議会と長とは対等の関係に立ち、
    法定された権限を、自らの判断と責任の下に相互に独立して行うことに
    なります。つまり、地方公共団体の議会は、国における国会と異なり、
    地方公共団体の最高機関とは位置づけられません。

  ◇議員

   ◇議員の任期、定数および報酬

    議員の任期は4年です。議員の定数は、条例で定められます。
    なお、普通地方公共団体は議員に対して報酬を支給しなければなりませ
    ん。また、議員は、職務を行うため要する費用の弁償を受けることが
    できます。

   ◇兼職の禁止

    議員はその性質から、職務に専念する必要があります。そこで、たとえ
    公務であっても、兼職は禁止されています。すなわち、議員は衆議院議
    員または参議院議員を兼ねることができません。また、他の地方公共
    団体の議員ならびに常勤の職員などを兼ねることもできません。

   ◇関連諸企業への関与の禁止

    議員は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者およびその支配人
    または主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、執行役
    もしくは監査役もしくはこれらに準ずべき者、支配人および清算人に
    なることができません。このような企業との癒着を防止し、公正な職務を
    担保するためです。

   ◇辞職

    議員は、議会の許可を得て辞職することができます。閉会中の場合は、
    議長の許可を得て辞職することができます。

  ◇議長と副議長

   普通地方公共団体の議会は、議員のなかから議長および副議長一人を選挙
   しなければなりません。
   ①議長は、議場の秩序を保持し、議事を整理し、議会の事務を統理し、
    議会を代表する。
   ②議長は、委員会に出席し、発言することができる
   ③議長および副議長の辞職。
    a、議長および副議長は、議会の許可を得て辞職することができる
    b、副議長は、議会の閉会中においては、議長の許可を得て辞職する
      ことができる

  ◇委員会

   議会でさまざまな議案を処理するために、議員は日々研鑽を積む必要が
   あります。私たちの社会はあらゆる分野で高度化かつ専門化しているから
   です。
   そこで、議会は、議案の専門家に対応するために、委員会制度を採用して
   います。すなわち、普通地方公共団体の議会は、条例で、①常任委員会、
   ②議会運営委員会、③特別委員会を置くことができます。委員会に関し
   必要な事項は、地方自治法に定めるほか、条例でこれを定めるとされてい
   ます。
   地方自治法が委員会について定める事項を表二まとめると、次に掲げる
   とおりとなります。

   ◇委員会:各委員会の種類、権限、公聴会など

    ◇権限

     ◇常任委員会
      ①その部門に属する当該普通地方公共団体の事務に関する調査
      ②議案、請願等の審査
      ③議案の提出

     ◇議会運営委員会
      ①次の事項の調査
       a、議会の運営に関する事項
       b、議会の会議規則、委員会に関する条例等に関する事項
       c、議長の諮問に関する事項
      ②議案、請願等の審査
      ③議案の提出

     ◇特別委員会
      ①議会の議決により付議された事件の審査
      ②議案の提出

    ◇閉会中の審査
     議会の議決により付議された特定の事件については、審議することが
     できる

    ◇公聴会開催、参考人招致
     ①予算その他重要な議案、請願等について公聴会を開き、真に、利害
      関係を有する者または学識経験を有する者等から意見を聴くことが
      できる
     ②当該普通地方公共団体の事務に関する調査または審査のため必要が
      あると認めるときは、参考人の出頭を求め、その意見を聴くことが
      できる
     ③本会議においても、公聴会の開催、参考人の招致をすることができ
      る

◆議会の運営と活動

 地方公共団体の議会には、定例会と臨時会があり、原則として、地方公共団体
 の長が招集する

 ◎議会の招集と会期

  地方自治法は、議会の招集と会期について、次のとおり定めています。

  ◇議会の招集

   普通地方公共団体の議会は、原則として、普通地方公共団体の長が招集しま
   す。
   次の場合において、請求を受けた長は、請求のあった日から20日以内に
   臨時会を招集しなければなりません。
   ①議長は、議会運営委員会の議決を経て、当該普通地方公共団体の長に
    対し、会議に付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することが
    できる。
   ②議員定数の1/4以上の者は、当該普通地方公共団体の長に対し、会議に
    付議すべき事件を示して臨時会の招集を請求することができる。
   上記の臨時会の招集請求のあった日から20日以内に長が臨時会を招集しな
   い場合、議長は自ら臨時会を招集することができます。

  ◇議会の会期

   普通地方公共団体の議会には、定例会と臨時会とがあります。

   ◇定例会
    毎年、条例で定める回数招集しなければならない

   ◇臨時会
    必要がある場合に、その事件に限り招集する
    付議すべき事件は、長があらかじめ告示しなければならない

   議会の会期およびその延長、議会の開閉に関する事項は、議会が定めます。
   条例の定めにより、定例会、臨時会とせず、通年の会期(条例で定める日
   から翌年の当該日の前日までを会期とするもの)とすることができます。
   この場合、条例で、定例日(定期的に会議を開く日)を定めなければなり
   ません。長は、議長に対し、会議に付議すべき事件を示して定例日以外の
   日に会議を開くことを請求できます。

 ◎議会の運営

  議会は普通地方公共団体の議決機関として活動するため、どのように運営さ
  れ、どのような権限を有しているのでしょうか。代表的な権限は、普通地方
  公共団体の意思を決定する議決権です。地方自治法には、議会を合理的に
  運営するために必要な事項が定められています。

  ◇議事・議決

   ◇議員の議案提出権

    普通地方公共団体の議会の議員は、議会の議決すべき事件につき、議会
    に議案を提出することができます。ただし、予算については、提出権が
    ありません。
    議案を提出するには、議員定数の1/12以上の者の賛成が必要です。また、
    議案は文書で提出しなければなりません。

   ◇定足数

    普通地方公共団体の議会は、原則として議員定数の半数以上の議員が
    出席しなければ、会議を開くことがはできません。

   ◇議員の請求による開議

    議員の議員定数の半数以上の者から請求があるときは、議長は、その日
    の会議を開かなければなりません。

   ◇議事公開の原則、秘密会

    議会の会議は、原則として公開されます。ただし、議長または議員三人
    以上の発議により、出席議員の2/3以上の多数で議決したときは、秘密
    会を開くことができます。

   ◇表決

    議会の議事は、地方自治法に特別の定めがある場合を除いて、出席議員
    の過半数で決します。そして、可否同数の場合は、議長の決するところ
    によります。なお、議長は議員として議決に加わる権利を有しません。

   ◇議長および議員の除斥

    議会の議長および議員は、自己もしくは一定の者の一身上に関する事件
    または自己もしくは一定の者が従事する業務に直接の利害関係のある
    事件については、その議事に参与することはできません。ただし、議会
    の同意があったときは、会議に出席し、発言することができます。

   ◇会期不継続の原則

    会期中に議決に至らなかった事件は、後会に継続しません。ただし、
    委員会では、議会の議決により付議された特定の事件については、
    閉会中も審査できます(会期不継続の原則の例外)。

   ◇会議規則の設定

    議会は、会議規則を設けなければなりません。

  ◇長および委員等の出席

   ◇長および委員等の議場出席義務

    普通地方公共団体の長、教育委員会の教育長、選挙管理委員会・人事
    委員会・公平委員会・公安委員会の委員長、労働委員会の委員、農業
    委員会の会長および監査委員その他法律に基づく委員会の代表者または
    委員ならびにその委任または嘱託を受けた者は、議会の審議に必要な
    説明のため議長から出席を求められたときは、議場に出席しなければ
    なりません。ただし、出席すべき日時に議場に出席できないことに
    ついて正当な理由がある場合において、その旨を議長に届け出たときは、
    この限りではありません。
    なお、議長は、議場への出席を求めるにあたっては、普通地方公共団体
    の執行機関の事務に支障を及ぼすことのないよう配慮しなければなりま
    せん。

   ◇長の説明書提出義務

    長は、議会に、予算に関する説明書その他当該普通地方公共団体の事務
    に関する説明書を提出しなければなりません。

  ◇請願

   普通地方公共団体の議会に請願しようとする者は、議員の紹介により請願
   書を提出しなければなりません。

◆議会の権限

 議会は、条例の制定・改廃等、地方自治法や条例に規定された事項について、
 議決権を有する。

 ◎議決権

  議会の権限の中心は、普通地方公共団体としての意思決定をすること、
  つまり議決権の行使です。議決権は地方自治法96条1項に列挙される事項に
  及び、なかでも重要なものは条例制定権です。

  ◇議決権とは

   議会は、96条1項に列挙された事件、ならびに条例で指定された事件に
   ついて、議決権を有し、地方公共団体の意思を決定します。執行機関が
   議会の議決を経ないで行為した場合、当該行為は無効となります。

  ◇96条1項に定める議決事件

   ①条例を設けまたは改廃すること
   ②予算を定めること
   ③決算を認定すること
   ④法律または政令に規定するものを除くほか、地方税の賦課徴収または
    分担金、使用料、加入金もしくは手数料の徴収に関すること
   ⑤その種類および金額について政令で定める基準に従い、条例で定める
    契約を締結すること
   ⑥条例で定める場合を除くほか、財産を交換し、出資の目的とし、もしく
    は支払手段として使用し、または適正な対価なくしてこれを譲渡し、
    もしくは貸し付けること
   ⑦不動産を信託すること
   ⑧⑥、⑦に定めるものを除くほか、その種類および金額について政令で
    定める基準に従い、条例で定める財産の取得または処分をすること
   ⑨負担付きの寄付または贈与を受けること
   ⑩法律もしくはこれに基づく政令または条例に特別の定めがある場合を
    除くほか、権利を放棄すること
   ⑪条例で定める重要な公の施設につき、条例で定める長期かつ独占的な
    利用をさせること
   ⑫普通地方公共団体がその当事者である審査請求その他の不服申立て、
    訴えの定期、和解、あっせん、調停および仲裁に関すること
   ⑬法律上その義務に属する損害賠償の額を定めること
   ⑭普通地方公共団体の区域内の公共的団体等の活動の総合調整に関する
    こと
   ⑮その他法律または政令(条例も含む)により議会の権限に属する事項

  ◇条例制定権

   条例とは、地方公共団体の議会によって制定される自主立法のことです。
   憲法94条は、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、
   及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することが
   できる」と規定しています。すなわち、地方公共団体が、自主立法権と
   して条例制定権を有することが定められているのです。
   条例は、可決されると、議会の議長から長に3日以内に送付されます。
   長は、再議その他の措置を講じた場合を除き、条例の送付を受けた日から
   20日以内に当該条例を公布しなければなりません。そして、条例に特別
   の定めがない限り、公布の日から10日経過した日から施行されます。

 ◎その他の権限

  ◇選挙権、予算増額修正権

   ◇選挙権

    普通地方公共団体の議会は、法律または政令によりその権限に属する
    選挙を行わなければなりません。

   ◇予算増額修正権

    議会は、予算について、増額して議決することができます。

  ◇検査・監査の請求

   ◇検閲および検査権

    議会は、当該普通公共団体の事務(一定の事務を除く)に関する書類
    および計算書を検閲し、長、教育委員会等の報告を請求して、当該事務
    の管理、議決の執行および出納を検査することができます。

   ◇監査請求権

    議会は、監査委員に対し、当該普通地方公共団体の事務(一定の事務を
    除く)に関する監査を求め、監査の結果に関する報告を請求することが
    できます。

  ◇関係行政庁への意見書提出権

   議会は、当該普通地方公共団体の公益に関する事件につき意見書を国会
   または関係行政庁に提出することができます。

  ◇100条調査権

   議会は、当該普通地方公共団体の事務(一定の事務を除く)に関する調査
   を行うことができます。この場合、当該調査を行うため特に必要があると
   認められるときは、選挙人その他の関係人の出頭および証言ならびに記録
   の提出を請求することができます。

  ◇懲罰権

   議会は、地方自治法ならびに会議規則および委員会に関する条例に違反
   した議員に対し、議決により以下の懲罰を科すことができます。

   ①公開の議場における戒告
   ②公開の議場における陳謝
   ③一定期間の出席停止
   ④除名

   懲罰の動議を議題とするには、議員定数の1/8以上の者の発議によらなけ
   ればなりません。ただし、除名については、当該普通地方公共団体の議会
   の議員の2/3以上が出席し、その3/4以上の者の同意がなければなりません。


◆執行機関

 ◎地方公共団体の長

  普通地方公共団体の長は、統括権および代表権、事務の管理および執行権、
  規則制定権等を有する。

  ◇地方公共団体の執行機関

   普通地方公共団体の執行機関とは、地方公共団体の事務を管理し、執行
   する機関であり、その担当する事務について自ら意思決定を行い、表示が
   できる機関をいいます。その意味で、補助機関は執行機関に含まれません。
   普通地方公共団体の執行機関には、長と行政委員会および行政委員があり
   ます。行政委員会と行政委員は、法律の定めにより設置されます。

  ◇普通地方公共団体の長

   ◇長の地位

    都道府県には知事、市町村には市町村長が置かれます。都道府県知事、
    市町村長ともに、任期は4年です。

    ◇兼職の禁止

     長は、衆議院議員、参議院議員、地方公共団体の議会の議員ならびに
     常勤の職員等と兼ねることはできません。

    ◇関連諸企業への関与の禁止

     長は、当該普通地方公共団体に対し請負をする者およびその支配人
     または主として同一の行為をする法人の無限責任社員、取締役、
     執行役もしくは監査役もしくはこれらに準ずべき者、支配人および
     清算人になることができません。

    ◇退職

     長は、退職しようとするときは、その退職しようとする日の、
     都道府県知事にあっては30日前、市町村長におっては20日前まで
     に、当該普通地方公共団体の議会の議長に申し出なければなりません。
     ただし、議会の同意を得たときは、その期日前に退職することが
     できます。

    ◇長の権限

     普通地方公共団体の長には、①普通地方公共団体を統括し代表する
     権限、②普通地方公共団体の事務を管理し、これを執行する権限、
     および③補助機関である職員を指揮監督する権限などが与えられて
     います。

     ◇統括権および代表権

      長は、当該普通地方公共団体を統括し、これを代表します。

     ◇事務の管理および執行権

      長は、当該普通地方公共団体の事務を管理し、執行します。長の
      担当する事務は、限定列挙ではなく、おもな事務を例示列挙した
      ものです。

      ①議会の議決を経るべき事件についてその議案を提出すること
      ②予算を調整し、およびこれを執行すること
      ③地方税を賦課徴収し、分担金、使用料、加入金または手数料を
       徴収し、および過料を科すること
      ④決算を普通地方公共団体の議会の認定に付すること
      ⑤会計を監督すること
      ⑥財産を取得し、管理し、および処分すること
      ⑦公の施設を設置し、管理し、および廃止すること
      ⑧証書および公文書類を保管すること
      ⑨①~⑧を除くほか、普通地方公共団体の事務を執行すること

     ◇規則制定権

      長は、法令に違反しない限りにおいて、その権限に属する事務に
      関し、規則を制定することができ、法令に特別に定めがあるものを
      除くほか、普通地方公共団体の規則中に、規則に違反した者に対し、
      5万円以下の過料を科する旨の規定を設けることができます。

  ◇補助機関

   補助機関とは、長の職務執行を補助する機関のことです。

 ◎長と議会の関係

  議会は、長の不信任の議決をすることができる。これに対し、長は、議会を
  解散することができる。

  ◇首長制

   地方公共団体の長と議会は、執行機関と議決機関として位置づけられて
   います。両者の関係は、国政で採用されている議員内閣制とは異なり、
   アメリカの大統領制のような首長制が採用されています。
   首長制いのいては、長と議会とはそれぞれが独立して住民に責任を負い
   ながら、かつ両者は互いに牽制し合って職務を果たすことが期待されて
   います。
   そこで、長と議会の関係で意見が分かれた場合に、それを調整する方法
   が定められています。

  ◇長の議会に対する牽制

   ◇付再議権

    ◇一般的付再議権:任意的

     普通地方公共団体の議会の議決について異議があるときは、当該普通
     地方公共団体の長は、地方自治法に特別の定めがあるものを除くほか、
     その議決の日(条例の制定・改廃または予算に関する議決については、
     その送付を受けた日)から10日以内に理由を付して再議に付する
     ことができます。
     議会が再議に付される議決と同じ議決(条例の制定・改廃または予算
     に関する議決については、出席議員の2/3以上の者の同意が必要)を
     したときは、その議決は確定します。

    ◇特別的付再議権:義務的

     a、違法な議決または選挙に対する付再議議権

       普通地方公共団体の議会の議決または選挙がその権限を越え、
       または法令もしくは会議規則に違反すると認めるときは、当該
       普通地方公共団体の長は、理由を示してこれを再議に付し、
       または再選挙を行わせなければなりません。
       再議決または再選挙がなおその権限を越え、または法令もしくは
       会議規則に違反すると認めるときは、都道府県知事にあっては
       総務大臣、市町村長にあっては都道府県知事に対し、当該再議決
       または再選挙があった日から21日以内に審査を申し立てること
       ができます。
       審査申立てに係る裁定に不服があるときは、議会または長は、
       裁定のあった日から60日以内に、裁判所に出訴することが
       できます。

     b、経費削減に関する議決に対する付再議権
       議会において次に掲げる経費を削減し、または減額する議決を
       したときには、その経費およびこれに伴う収入についても、
       当該普通地方公共団体の長は、理由を付してこれを再議に付さな
       ければなりません。

       ①法令により負担する経費、法律の規定に基づき当該行政庁の
        職権により命ずる経費その他の普通地方公共団体の義務に
        属する経費

       ②非常の災害による応急もしくは復旧の施設のために必要な経費
        または感染症予防のために必要な経費
        →この場合において、議会の議決がなお経費を削除し、または
         減額したときは、当該普通地方公共団体の長は、その議決を
         不信任の議決とみなすことができる

   ◇議会の解散権

    議会が長の不信任の議決をしたときは、ただちに議長からその旨を長に
    通知しなければなりません。
    長は、その通知を受けた日から10日以内に限り、議会を解散すること
    ができます。

   ◇長の専決処分

    長の専決処分とは、法律上、議会によって議決または決定すべき事項で
    あるにもかかわらず、長が議会の議決または決定を経ないで行う処分の
    ことです。

    ①法律の規定による専決処分

     次の場合において、普通地方公共団体の長は、議会の議決すべき事件
     を処分することができます。ただち、副知事と副市長村長の選任の
     同意および指定都市の総合区長の選任の同意は除かれます。

     ①議会が成立しないとき
     ②会議を開くことができないとき
     ③議会の議決すべき事件について特に緊急を要するため、議会を招集
      する時間的余裕がないことが明らかであると求めるとき
     ④議会において議決すべき事件を議決しないとき

     法律の規定による専決処分をした場合は、長は議会に報告し、承認を
     求めなければなりません。
     条例の制定・改廃または予算に関する専決処分について承認を求める
     議案が否決されたときは、長は、すみやかに、当該処置に関して必要
     と認める措置を講ずるとともに、その旨を議会に報告しなければなり
     ません。

    ②議会の委任による専決処分

     議会の権限に属する軽易な事項で、その議決により特に指定したもの
     は、普通地方公共団体の長において、これを専決処分とすることが
     できます。
     議会の委任による専決処分をした場合に、長は議会に報告しなければ
     なりません。

  ◇議会の長に対する牽制

   ◇長に対する不信任議決権

    議会は、議員数の2/3以上の者が出席し、その3/4以上の者の同意を
    もって、長の不信任の議決をすることができ、次の場合に長はその職を
    失います。

    ①長が議長から不信任決議の通知を受けた日から10日以内に議会を
     解散しないとき
     →10日の期間が経過した日にその職を失う

    ②長が議会を解散した後、はじめて招集された議会において、議員数の
     2/3以上の者が出席し、その過半数の同意をもって、再び不信任の
     議決があり、議長からその旨の通知があったとき
     →議長から通知があった日にその職を失う

   ◇同意権および承認権

    ①長が副知事または副市長村長を選任するとき
     →議会の同意が必要
    ②長が監査委員を選任するとき
     →議会の同意が必要
    ③長が法律の規定による専決処分をしたとき
     →議会に報告し、承認を求めなければならない

 ◎行政委員会・行政委員

  行政委員会および行政委員は、長から独立した立場で事務を管理し執行する
  機関である。

  ◇行政委員会・行政委員

   ◇行政委員会・行政委員とは

    行政委員会とは、複数の委員によって構成される合議制の執行機関の
    ことです。行政委員とは、原則として単独で職務を行う独任制の執行
    機関のことです。
    行政委員会は、行政の中立性の確保や、専門的知識の確保の必要性等
    の要請から、長から独立して行うべき事項について、長の政治的な
    影響力の外に置く必要があります。
    そこで、長から独立した立場で、事務を管理し執行する機関として
    認められました。

   ◇種類

    行政委員会および行政委員の種類は、すべての普通地方公共団体に
    置かなくてはならないもの、都道府県にのみ置くもの、市町村にのみ
    置くものと3分類することができます。

    ◇行政委員会および行政委員の種類

     ◇すべての普通地方公共団体に置かなくてはならないもの
      ①教育委員会
      ②選挙管理委員会
      ③人事委員会または公平委員会
      ④監査委員

     ◇都道府県のみに置かれるもの
      ①公安委員会
      ②地方労働委員会
      ③収用委員会
      ④海区漁業調整委員会
      ⑤内水面漁場管理委員会

     ◇市町村のみに置かれるもの
      ①農業委員会
      ②固定資産評価審査委員会

    ◇権限

     ◇行政委員会の規則制定権

      普通地方公共団体の委員会は、法律の定めるところにおり、法令
      または普通地方公共団体の条例、規則に違反しない限りにおいて、
      その権限に属する事務に関し、規則その他の規定を定めることが
      できます。
      長の定める規則とは、次の2点で異なります。
      ◇法律の別個の授権が必要である
      ◇違反者に過料を科すという罰則を設けることはできない

     ◇委員会および委員の権限に属しない事項

      普通地方公共団体の委員会または委員は、法律に特別の定めがない
      限り、次に掲げる事項について、権限を有しません。
      ◇普通地方公共団体の予算を調整し、およびこれに執行すること
      ◇普通地方公共団体の議会の議決を経るべき事件につき、その議案
       を提出すること
      ◇地方税を賦課徴収し、分担金もしくは加入金を徴収し、または
       過料を科すること
      ◇普通地方公共団体の決算を議会の認定に付すること


  ◇監査委員と外部監査

   ◇監査委員

    ◇監査委員とは

     監査委員は、普通地方公共団体の財務に関する事務の執行および経営
     に係る事業の管理を監査する独任制の執行機関です。都道府県と市長
     村とを問わず、すべての普通地方公共団体に置かれます。

    ◇監査委員の選任

     監査委員の定数は、都道府県および人口25万人以上の市では4名、
     それ以外の市および町村では2名です。ただし、条例でその定数を
     増加することができます。
     監査委員は、普通地方公共団体の長が、議会の同意を得て、人格が
     高潔で、普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政
     運営に関し優れた識見を有する者および議員のうちから選任します。

    ◇監査委員の職務

     ◇一般監査

      ◇財務監査
       普通地方公共団体の財務に関する事務の執行および普通地方公共
       団体の経営にかかる事業の管理を監査する。毎会計年度少なくと
       も1回以上期日を定めて行う定期監査と、必要があると認めると
       きに行われる随時監査がある

      ◇行政監査
       普通地方公共団体の事務の執行について監査する。必要があると
       認めるときに行われる

     ◇特別監査

      他の機関等からの要求があった場合に行う監査
      ①住民からの事務監査請求があった場合の監査
      ②議会からの要求があった場合の監査
      ③長からの要求があった場合の監査
      ④住民監査請求による監査
      ⑤財政援助団体等の出納その他の事務執行の監査 など

    ◇監査手続

     監査委員は、監査のため必要があると認めるときは、関係人の出頭を
     求め、もしくは関係人について調査し、関係人に対し帳簿、書類その
     他の記録の提出を求めることができます。

    ◇監査結果の報告と公表

     監査委員は、監査の結果に関する報告を決定し、これを普通地方公共
     団体の議会および長ならびに関係のある教育委員会、選挙管理委員会、
     人事委員会もしくは公平委員会等に提出し、かつこれを公表しなけれ
     ばなりません。

   ◇外部監査制度

    外部監査制度とは、普通地方公共団体の監査の厳正と公正を期するため
    に、弁護士、公認会計士等の外部の専門家に監査を依頼する制度です。
    外部監査制度は、普通地方公共団体と外部監査人との外部監査契約に
    基づいて設定されます。

    ◇外部監査制度の種類

     ◇包括外部監査制度

      対象は、財務に関する事務の執行および団体の経営に係る事業の
      管理のうち、2条14項および15項の規定の趣旨を達成するため、
      外部監査人が必要と認める特定の事件になります。
      契約は、包括外部監査契約になります。連続して4回、同一の者と
      締結してはなりません。
      設置義務は、都道府県、政令で定める市(指定都市、中核市)は
      必ず設置しなければなりません。上記以外の市町村は、条例で外部
      監査を受ける旨を定めれば設置可能です。

     ◇個別外部監査制度

      対象は、長、議会、住民が地方自治法に基づき監査委員の監査を
      請求することができる事項になります。監査委員の監査に代えて
      個別外部監査によることができる旨の条例が必要になります。
      契約は、個別外部監査契約になります。長が、あらかじめ監査委員
      の意見を聴くとともに、議会の議決を経て締結します。
      設置義務はありません。

     ◇両者の関係

      異なる制度なので、併用することができる

     ◇監査委員制度との関係

      監査委員は必要的設置機関なので、外部監査制度を設けても廃止は
      できない。外部監査制度と監査委員制度は併存する

    ◇外部監査契約を締結できる者

     普通地方公共団体の財務管理、事業の経営管理その他行政運営に関し
     優れた識見を有する者で、次のいずれかに該当する者
     ①弁護士(弁護士となる資格を有する者も含む)
     ②公認会計士(公認会計士となる資格を有する者を含む)
     ③国の行政機関において会計検査に関する行政事務に従事した者また
      は地方公共団体において監査もしくは財務に関する行政事務に従事
      した者であって、監査に関する実務に精通しているものとして政令
      で定めるもの
     ④税理士(税理士となる資格を有する者を含む)
      →④は、普通地方公共団体が外部監査契約を円滑に締結し、または
       その適正な履行を確保するため必要と認めるときに限る

  ◇住民監査請求・住民訴訟との関係

   住民監査請求とは、その所属する普通地方公共団体の機関または職員の
   違法または不当な財務会計上の行為について、必要な措置を講ずべきこと
   を請求することのできる権利をいいます。
   また、住民訴訟とは、監査請求をした住民が、さらに裁判所へ訴訟を提起
   することをいいます。
   住民が監査請求しても、監査委員が監査や勧告を行わなかったりしたとき
   は、住民の監査請求が無意味になってしまいます。そこで、訴訟の提起が
   認められているのです。


 ◎地域自治区

  地域自治区は、市長村長の権限に属する事務を、地域の住民の意見を反映
  させつつ処理する。

  地域自治区とは、市町村長の権限に属する事務を分掌し、地域の住民の意見
  を反映させつつ、これを処理する目的で、条例により設置される市町村の
  特定の区域のことです。
  市町村の合併により市町村の区域が拡大し、地域の意見が市町村の運営に
  反映されないおそれが出てくることを想定し、2004年法改正によりこの制度
  が設けられました。
  地域自治区には、事務所と地域協議会を設置しなければなりません。
  事務所は、地域自治区内における市町村の事務(窓口業務など)を行います。
  事務所の位置、名称および所管区域は条例で定められます。また、事務所長
  には、市町村長の補助機関である職員を充てます。
  地域協議会は、地域自治区の事務に関する事項などのうち、市町村の機関
  から諮問されたもの、または必要と認めるものについて、審議し、意見を
  述べることができる機関です。地域協議会の構成員は、地域自治区内に住所
  を有する者のうちから、市町村長が選任します。



 

 














 






普通地方公共団体には、意思決定をして活動するための機関として、
議会が置かれます。

国の場合には、国会が最高機関として位置づけられていますが、
地方公共団体の場合、その長も住民の直接選挙により選ばれるため、
議会と長とは対等の関係に立つとされています。

普通地方公共団体には、執行機関として、長、行政委員会および行政委員が
あります。

執行機関とは、地方公共団体の事務を、議会の意思に拘束されることなく、
自らの判断と責任において、誠実に管理、執行する義務を負う機関を
言います。

◆長
 都道府県に知事を置き、任期は4年とします。
 市町村に市町村長を置き、任期は4年とします。
 補助機関は、長の職務執行を補助するための機関になります。
 普通地方公共団体の長には、以下の権限が与えられています。
 ◎統括権および代表権
 ◎事務の管理および執行権
 ◎規則制定権


◆行政委員会、行政委員
 行政委員会は、複数の委員から成る合議制の機関になります。
 合議制とは、集まって議論しながら物事を決めることになります。
 行政委員は、原則として単独で職務を行う独任制の機関になります。
 例えば、監査委員などがあります。


◆議会と長の関係

 普通地方公共団体の長と議会は、前述のとおり対等な関係にあり、
 それぞれが独立して住民に責任を負いながら、
 職務を行う必要があります。

 そのため、長と議会との意見が分かれた場合には、それを調整するため、
 長には、議会の議決に対する不再議件が認められ、
 議会には、長に対する不信任議決権および人事に対する同意権などが
 与えられています。

 行政委員会、行政委員とも、長から独立した立場で、事務を管理し
 執行するする機関として認められたものになります。


 

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 ・地方自治とは・・

(記事作成日、平成29年3月30日)



 

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