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法律行為とは・・


法律行為とは、広義においては、「法的権限の行使として、法律効果を生ぜしむる目的でなされる、(統治者、官吏、単なる個人を含む)個人の意思表示である」と定義される。
民法学上の概念としては、人が私法上の権利の発生、変更、消滅(法律効果)を望む意思(効果意思)に基いてする行為であり、その意思表示の求めるとおりの法律効果を生じさせるものをいう。

◆法律行為の意義
法律行為は、一個または数個の意思表示を法律事実たる要素とし、それによって一定の法律効果を生じる行為である。「法律行為」の概念は、19世紀のドイツの概念法学の手法の所産とされ、英米法はもちらんフランス法にも見られない概念とされる。

◆法律行為自由の原則
近代市民社会の個人主義、自由主義の下では、私法上の法律関係は、各人の自由な意思に基づく法律行為によって規律させることが原則である(法律行為自由の原則)。

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◆法律行為の成立と解釈
◆法律行為の成立
◎法律行為の成立要件
法律行為は、意思表示がなされることによって成立する。契約や合同行為が成立するためには、複数人の意思表示がなされることが必要であるが、単独行為は一つの意思表示がなされることで成立する。
もっとも、法律行為のなかには、意思表示のみでは、成立しないものもある。例えば、消費貸借契約の成立には、意思表示に加えて目的物の授受が必要であり、また、遺言(単独行為)は、意思表示が一定の方式によってなされることを要する。

◎契約の成立に関する意思主義と表示主義
契約の成立には、当事者双方の意思表示が合致することが必要であるが、意思表示はどの程度まで合致していることが必要であるか。意思表示を主観的に解釈すると内心の意思が合致しなければ契約が成立しないことになり、意思表示を客観的に解釈すると表示が合致すれば契約が成立することになる。契約の成立に関して、内心の意志の合致まで要求する立場を意思主義といい、表示が合致していれば足りるとする立場を表示主義という。
この点に関して、内心の意思が合致しなければ、契約は成立しないとした判例がある。しかし、内心は外部からはわかりにくいので、内心の意思が合致することまで要求してしまうと取引の安全を害する。さらに、意志と表示の不一致が存在するときは、およそ契約が成立しえないことになってしまい、錯誤などに関する規定が適用される場面がなくなってします。こういった理由から、判例の立場(意思主義)は支持されていない。学説上は、表示が客観的に合致していれば契約が成立するというのが一致した見解である(表示主義)。
以上から、法律行為の成立要件としての意思表示は外形上存在すればよく、意思表示自体は有効である必要はない。もっとも、意思表示について無効または取消しとなる事由が存在する場合には、法律行為自体も有効性を欠くことになる。

◇事例
レストランAで、顧客Bが「パスタ」を注文したのに対して、Aの店員がマカロニを出したという事例について考えてみる。この場合において、Bもマカロニの意味で、「パスタ」を注文(意思表示)したのであれば、主観的、客観的両面での意思表示の合致があるといえるので、契約が成立することに問題はない。しかし、もし、Bがスパゲティの意味で「パスタ」と表示していたときは、どうなるか。意思表示を主観的に解釈するならば、「パスタ」という表示に与えた主観的意味は、A(マカロニ)とB(スパゲティ)とで異なるのであるから、意思表示の合致がなくて契約は不成立となる(契約の成立に関する意思主義)。これに対して、意思表示を客観的に解釈すれば、「パスタ」という表示の合致がある以上、契約は成立する(契約の成立に関する表示主義)。あとは、「パスタ」という表示行為の意味の画定(スパゲティかマカロニか)と、AまたはBいずれかの意思表示の錯誤の問題となる。

◆法律行為の解釈
◎法律行為の解釈とは
法律行為の内容は、当事者が自由に決定することができる(法律行為自由の原則)。その結果、当事者間になんらかのトラブル(紛争)が生じた場合には、当事者間で定めらえれた内容がその解決の拠り所となる。しかし、当事者間の取り決めの内容は、法実の条文のように厳密であってり、網羅的であったりするわけではない。そこで、あいまいな表現の意味を明確にしたり、欠けている部分を補ったりする作業が必要になる。この法律行為の内容を確定する作業を法律行為の解釈と呼ぶ。なお、法律行為の解釈という場合には、契約の解釈を前提として論じるのが普通である。

◇契約の解釈と単独行為の解釈
同じ法律行為であっても、売買のような契約と遺言のような単独行為とでは、その解釈の仕方が大きく異なる。契約の場合は、当事者間の合意という性格上、相手方の利益にも配慮した客観的な解釈が要求される。これに対して、遺言の場合は、死者の最終的な意思表示であることを考慮して、その真意を探求すべきであるとされる。もっとも、相手方のある単独行為の場合には、契約と同様、客観的な解釈をすべきであると言える。

◇事実問題と法律問題
法律行為の解釈は、事実問題か、法律問題か。事実を確定する作業が事実問題であり、確定した事実に法を適用する作業が法律問題である。当事者の言動や行為当時の事情を認定するのは事実問題である。しかし、法律行為の解釈には、認定された事実に解釈基準を適用して法律行為の内容を明らかにする作業も含まれる。この作業は、妥当な解決のためにどのような効果を認めるべきであるかという価値判断が絡むことになるから法律問題である。法律問題である場合には、上告受理の申し立てをすることができる。

◎法律行為の解釈の基準
法律行為の解釈は、当事者がその法律行為によって達しようとした経済的、社会的目的に適合するようになされるべきである。法律行為の解釈にあたっては、まず第一に、①当事者の企図する目的が基準となり、続けて、②慣習、③任意規定、④条理、信義則がこの順序で基準となる。

◇慣習
当事者の意図が不明である場合、法律行為の行われた場所や当事者の属する職業、業種に慣習が存在するときは、法律の規定に先立って、まず慣習が適用される。民法92条は、「法律行為の当事者がその慣習による意思を有している」ときに限定しているが、とくに当事者が反対の意思表示をしないかぎり、慣習にしたがう意思があるものと推定される。

◇民法92条と法の適用に関する通則法3条との関係
民法92条は、慣習が任意規定に優先する旨を規定しているが、法の適用に関する通則法は、「慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定されていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有する」と規定しており、慣習が法令の規定に劣後すると定めているように解される。かつての通説は、この矛盾を説明するために、法的用法3条の「慣習」と民法92条の「慣習」とは異なる概念であるとして、それぞれ慣習法、事実たる慣習と呼んだ。しかし、この考え方は現在では指示されていない。両規定の関係をどのように考えるべきかという問題は、法例から法適用法への全面改正後も解釈に委ねられたままである。

◇任意規定
「公の秩序に関しない規定」を任意規定と言う。任意規定は、当事者の合理的な意思を推測して置かれているものであり、したがって、任意規定と異なる当事者の意思表示(特約)が存在する場合には、それが優先する。また、任意規定と異なる慣習が存在する場合にも慣習が優先して適用される。このように、任意規定は、当事者の意思や慣習が不明確、不存在である場合に補充的に適用される。

◇解釈規定と補充規定
任意規定には、表示の意味がう明確である場合に、その意味を確定するための規定と、当事者意思を補充するための規定とがあり、それぞれ解釈規定、補充規定と呼ぶ。民法420条3項、557条などが解釈規定の例であり、573条、574条などが補充規定の例である。任意規定のほとんどは、補充規定である。

◇条理、信義則
条理ないし、信義則も、法律行為の解釈の基準とされる。当事者の合理的意思を導いたり、契約内容を妥当な内容に修正したりする際の根拠として援用される。

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◆法律行為の要件
法律行為によって、法律効果を発生させるためには、様々な要件を充足しなければならない。それらの要件をまとめると、次のようになる。

◎成立要件
法律行為が成立するには、当事者の意思表示が必要である。契約の場合には、申込みと承諾の意思表示の合致(合意)がなければならない。
法律行為によっては、意思表示に加えて目的物の授受(要物契約)や一定の方式でなされること(要式行為)が成立要件とされるものもある。
意思表示が外形的にも存在しない場合には、法律行為は不成立となる。


◎有効要件
法律行為が有効であること、すなわち、無効原因や取消原因が存在しないことが必要である。
法律行為の有効要件は、法律行為の内容に関する要件(客観的有効要件)と意思表示に関する要件(主観的有効要件)とに分けることができる。
後者の要件としては、権利能力、意思能力、行為能力の存在、意思表示に瑕疵がないこと(意志の不存在、瑕疵ある意思表示でないこと)が挙げられる。


◎効果帰属要件
行為者が、自己ではなく他人のために法律行為を行った場合に、その行為の効果を他人に帰属させるためには、代理権や処分権が存在しなければならない。これらの権限のない行為は、効果不帰属となるのが原則である。


◎効力発生要件
法律行為が、有効に成立しても、その効力の発生が一定の事実にかかっていることがある。それには、当事者の意思表示によるもの(条件、期限)と、法律の規定によるもの(例、表意者の死亡)とがある。効力発生要件が定められているときは、一定の事実が生じないかぎり、法律行為の効力が発生しない。

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◆強行規定違反
◎公の秩序に関する規定
◇法律行為の内容の適法性
法律行為の内容は、適法なものでなければならない(適法性の要件)。法律行為の内容が法秩序の観点から許容することができないものであるとき、その法律行為は無効である。
民法は、この原則を明確な表現で規定していないが、91条を根拠規定とする考え方が一般的である。91条は、公の秩序に関しない規定は、当事者の意思表示(特約)によって、排除できる旨を規定しているが、同条を反対解釈すると、公の秩序に関する規定は当事者の特約によって排除できないという趣旨を読み取ることができるからである。これに対して、91条ではなく90条を根拠とする考え方もある。

◇民法90条
公の秩序又は善良の風俗に反する事項を目的とする法律行為は、無効とする。

◇民法91条
法律行為の当事者が法令中の公の秩序に関しない規定と異なる意思を表示したときは、その意思に従う。

◇強行規定と任意規定の区別
ところで、91条の文言から、法令中の規定には、公の秩序に関するものとそうでないものがあることが推察できる。公の秩序に関する規定を強行規定(強行法規)と呼び、公の秩序に関しない規定を任意規定(任意法規)と呼ぶ。強行規定に違反する特約は無効であるが、任意規定は、特約によってその適用を排除することができる。
ある規定が強行規定であるか、任意規定であるかは、個々の規定ごとに判断される。法律上、強行規定である旨が明記されている場合や、任意規定である旨が明記されている場合は明白であるが、多くの場合には、いずれであるかを規定の趣旨から判断するしかない。
大まかな傾向として、民法総則には、強行規定が多く、物権法や家族法の規定のほとんどは、強行規定である。経済的弱者保護のための特別法の中にも強行規定が多く存在する。対s千恵、債権法には、任意規定が多い。

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◆取締規定違反
行政上の取締り目的から、一定の行為を禁止または制限する規定を取締規定と呼ぶ。取締規定に違反すると、刑罰や行政処分などの制裁を科される。しかし、そのことと、違反した行為(契約)の(私法的な)効力まで否定されるかどうかは別問題である。取締規定違反行為の効力をどのように判断するべきかという問題について、二つの異なったアプローチの仕方がある。

①効力規定か否かによって判断する立場
この立場は、違反した規定の性質によって契約の効力を決定する。この規定に違反することによって契約の効力が否定されるような取締規定を効力規定と呼ぶ。効力規定に違反した契約は無効となるが、それ以外の取締規定に違反した契約は無効となる。

◎効力規定と強行規定の違い
効力規定は、それ以外の(契約の効力に影響しない)取締規定に対置される概念である。これに対して、強行規定は任意規定に対置される概念である。効力規定は、強行規定の一種であるが、取締規定のすべてが強行規定としての性質を有するわけではない。なお、効力規定でない取締規定を「単なる取締規定」と呼ぶことがある。

②民法90条を援用する立場
取締規定違反の契約の効力を、公序良俗違反(90条)の問題として処理する立場である。契約の効力を具体的事案に則して、総合的に判断することになるので、抽象的に効力規定か否かを決定するよりも柔軟な問題解決が可能となる。判例の中には、取締規定違反の契約について、効力規定違反ではなく、90条違反を理由に無効とするものもある。

◇取締規定違反行為の例
◇無免許営業
特定の事業を営むことをそのための資格のある者に制限している場合において、その資格なしに営業する行為である。無資格者の営業行為は、原則として有効である。取締目的が、営業資格を制限することであって、営業行為自体を制限することではないからである。例えば、食品衛生法の許可のない販売業者がした精肉の購入は有効である。独占禁止法違反の貸付契約について、私法上の効力を否定しなかった判例もある。もっとも、公益性が強い資格であれば無効となることもある。

◇名義貸し
営業の資格のある者がその名義を無資格者に貸与する契約である。これを許すと取締目的を達成することができないので、無効である。戦前の鉱業における「斤先掘」契約が適例。名義借主の営業は、無免許営業である。

◇取引規制に違反する行為
取引自体の規制を目的とする取締規定に違反する行為である。行為の効力は、規定ごとに判断すべきである。90条を援用して無効とする場合もある(食品衛生法違反と知りながら、有毒物質が混入したアラレを製造、販売したという事案において、取引を90条違反により無効とした)。

◎脱法行為の効力
法が直接禁じている以外の手段によって、禁止されている内容を実質的に達成する行為を脱法行為と呼ぶ。いわば、法の抜け道である。脱法行為は、無効であると考えられている。明文で、脱法行為を封じていることもある。
形式的に、強行規定の適用を回避する行為のなかには、法が経済取引における実際の需要に応えなかったために、やむなく取引慣行として生じたものも存在する。譲渡担保がその好例である。そのような行為は、確かに、実質的には、強行規定に違反するものであるが、その経済的合理性から法的に許容されると考えられており、したがって、脱法行為ではないとされる。

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◆公序良俗
公序良俗とは、公の秩序又は善良の風俗の略であり、これに反する法律行為は無効とされる。
近代の私法は、私的自治の原則を採用しており、私人の生活においては、その自由が尊重される。具体的には、法律行為は、その当事者の意図した通りの効果が認められる法律行為自由の原則が挙げられる。しかしながら、法律行為の自由を無制限に認めると、財産的秩序や倫理的秩序などが害されるおそれがあるため、公序良俗違反として法律行為を無効とする。

◎意義
民法第90条は、「公の秩序又は善良の風俗に反する法律行為は、無効とする」としている。
公の秩序は、国家および社会の一般的利益を、善良の風俗は、社会の一般的倫理をそれぞれ意味する。しかし、両者は、一体的に扱われるべきであり、両者を厳密に区別する実益はないとされている。

◎類型
公序良俗は、様々な角度から用いられるが、大きく次の3つに分類することができる。

◇財産的秩序に反する行為
◇例
賃金債務が弁済されない場合には、賃金の約2倍になる保険の解約返戻金を債務の弁済に充てる旨の特約

◇倫理的秩序に反する行為
◇例
配偶者のある者と、それを知っている第三者との間で結ばれた、将来婚姻をする旨の予約、およびそれに基づき婚姻、入籍するまで扶養料を支払う旨の契約

◇自由や人権を害する行為
◇例
16歳にも達しない少女が酌婦として稼働する旨の契約、およびこれに伴う消費貸借契約、連帯保証契約。

1980年第以降、経済活動に関する紛争において、公序良俗違反を認める裁判例が増えてきた。

◎憲法の人権規定の私人間効力
憲法の人権規定は、主として、国家と私人の間の関係を規定するものであるが、これが私人間に適用されるかという人権規定の私人間効力問題につき、公序良俗が持ち出されることがある。

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◆意思表示
◎意思表示とは、「一定の法律効果の発生を欲する」意思を、外部に表示する行為。

◎意思表示は、
◇効果意思
◇表示意思
◇表示行為
から成り立っている。

◎表示意志の前段に動機がある
動機→効果意思→表示意思→表示行為

◇動機
「このメロンは、夕張産だからたくさん買おう」

◇効果意思
「このメロンを1個2000円で、5個買おう」(考え)

◇表示意思
「このメロンを1個2000円で、5個買うと表示しよう」(考え)

◇表示行為
「このメロンを1個2000円で、5個買います」(行為)

◎意思表示のトラブル
勘違いなど真意に反する契約を結んでしまった場合に、民法には、それを救済するための規定が設けられている(大きく2つに分類される)

◇意志の不存在
表示行為に対応する効果意思が欠けている場合
◇心理留保
◇虚偽表示
◇錯誤

◇瑕疵ある意思表示
効果意思を形成する過程に瑕疵がある場合
◇詐欺
◇強迫

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◆意志の不存在
◆心裡留保
心裡留保とは、真意のないことを知りながらする、単独の意思表示。

◎効果
◇原則、有効である。
相手方が悪意、又は有過失→無効
(相手方が表意者の「真実を知り」または「知ることができた」ときは、その意思表示は無効)

◇善意の第三者には、無効を対抗できない。
(過失があっても、善意であれば、第三者は保護される)

◎民法93条
意思表示は、表意者がその真意でないことを知っていたときであっても、そのために効力を妨げられない。
ただし、相手方がその真意を知り、又は知ることができたときは、その意思表示は無効とする。

心裡留保とは、表意者が、表示行為に対応する真意のないことを知りながらする単独の意思表示。

◇心裡留保による意思表示は、それを信じた相手方を保護する必要があるから、原則有効である。

◇心裡留保は、表意者を保護する必要がないから、原則有効であるが、相手方が悪意の場合、普通の注意をすれば知り得た場合は、無効となる。

◇心裡留保が無効とされる場合でも、善意の第三者には対抗できないとするのが通説。

◎心裡留保に関する判例
身分的法律行為は、本人の意思を重んじるべきであるから、内心的効果意思のない養子縁組は、相手方が表示行為に内心的効果意思が伴っていないことを知らない場合であっても、無効である。

◇身分的法律行為に関する心裡留保は、原則無効である(相手方が善意の場合でも)

◇代理人が、自己または第三者の利益を図るために権限内の行為をした場合において、相手方が代理に人の意図を知り、又は知ることができたときは、民法93条但書を類推適用して、当該代理行為は無効となる。

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◆虚偽表示
虚偽表示とは、相手方と通じて、真意でない意思表示をすること。

◎効果
◇原則、無効である。
◇虚偽表示の無効は、誰でも出張できる

◇「善意の第三者」には、無効を対抗(主張)できない。

◇虚偽表示の無効を対抗できない「第三者」とは、当事者、その一般承継人「以外」の者であって、その表示の目的につき法律上の利害関係を持つに至った者をいう。
・不動産の仮装譲受人からさらに譲り受けた者
・仮装譲渡された不動産につき抵当権の設定を受けた者
・仮装債権の譲受人
・虚偽表示の目的物を差し押さえた者

◎民法94条
相手方と通じてした虚偽の意思表示は無効とする。
2 前項の規定による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができない。

◇虚偽表示は、法律行為を認めるべき理由はなんらなく、当事者間において常に無効となり、善意の第三者に対抗することができない。

◇善意の第三者は、登記なくして保護される。

◎虚偽表示に関する判例
◇直接の第三者が善意であれば、転得者が悪意であっても、善意の第三者の権利を継承して保護される。

◇転得者が善意であれば、94条2項の第三者として保護される。

◇第三者の善意の過失の有無は問わない。

◇第三者が善意である旨の主張、立証責任は第三者側にある。

◇虚偽表示による譲受人から目的不動産に担保権の設定を受けた者は、94条の第三者に当たる。

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◆錯誤
錯誤とは、表示に対する意思が不存在であり、そのことに表意者がの認識が欠けていること

①法律行為の「要素」に錯誤がある。
(法律行為の要素とは、法律行為の重要な部分のこと)

②表意者に重大な過失がない。

錯誤による意思表示は、原則、無効である。

◇ただし、表意者に「重大な過失」があったときは、表意者は、自らその無効を主張できない。

◇無効を主張できる者
◇原則、本人のみ
◇第三者が、表意者の債権を保全する必要があり、表意者が、錯誤があることを認めているときは、表意者は無効を主張する意思がなくても、第三者は無効を主張できる。

◎動機の錯誤
◇動機の錯誤とは、意思表示の動機に錯誤がある場合
◇偽物の絵画を本物と思い込んで買った場合、「この絵画を買いたい」という効果意思は存在するが、「この絵画」を本物と勘違いしたという効果意思を形成する過程に欠陥がある(→動機の錯誤)

◇動機の錯誤は、原則、無効とならない。
◇「動機が意思表示の内容として表示されている」
「相手側からもそれが認識できるようになっている」
(動機が、明示または黙示で表示されている)場合は、錯誤について重過失がないときは、無効を主張できる。

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◆瑕疵ある意思表示
◆詐欺
詐欺されてなした意思表示は、取り消すことができる。

◎「取り消し前の、善意の第三者」には対抗できない。
◇取消し後の善意の第三者とは、対抗関係となり、先に登記を備えた者が優先される。

◇「第三者が詐欺」した場合は、「相手方が悪意」である場合に限り、取り消すことができる。

◆脅迫
脅迫されてなした意思表示は、取り消すことができる。

◎第三者にも、取消しを対抗できる(善意、悪意を問わない)
◎取消し後の第三者との関係は、対抗関係となり、先に登記を備えた者が優先される。

 

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◆代理
代理とは、代理人が本人のためにすることを示して、本人の名において意思表示し、相手方から意思表示を受けることによって、その法律効果を、直接本人に帰属させる制度。

◎意義
代理制度とは、本人から代理権を付与された代理人が、「本人のためにすることを示して」相手方と取引行為を行うことで、その効果を直接、本人と相手方の間に生じさせる制度ということができる。
人は、肉体的、知的に有限な存在であり、同時に異なる場所でしなければならない契約を行うことはできず、特殊な交渉については専門家に任せるほうが合理的なこともある。
また、生まれたばかりの赤ちゃんや知的能力が著しく低い人などは、自分のために自分の知力によって法律行為をなすことが不可能といえる。
このような様々なケースや要請からは代理制度は、私的自治の原則の拡張、補充として認められ、民法に規定されている。


◎代理権
代理行為は、
①代理権がある者(本人から代理を委任された者)が、
②顕名(本人のためにすることを示すこと)を行い、
③有効な法律行為を(本人から委員された範囲で)なすこと
によって有効となる。

◎「本人のためにすることを示して」とは?
民法99条は、「代理人が、その権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接に効力を生ずる」と規定している。
では、「本人のためにすることを示して」とは、どのようなことをいうのか?
これは、「この契約の当事者は、誰なのかをはっきりさせる」という趣旨から要求されているものと解釈されている。
つまり、代理人は、自分が形の上で契約行為を行っているが、「契約の当事者は、自分ではない」ということ、「本人のために行っていること」を相手にはっきりさせて行う、ということになる(顕名主義)。
では、上記ケースのように、代理人が、代理人であることを示さず、本人のような外観で契約した場合はどうなるか?
契約の相手方にとって重要なことは、「誰と契約しようとしているか」である。
つまり、ここで問題とすべきは、契約の当事者を相手にきちんと知らしめているかどうか、ということ。
契約しようとする者にとっては、「法律行為の効果が帰属する者は誰か」が重要であり、それをはっきり示しているかどうかが問題となるということにある。
したがって、代理人が自分の立場を示さず、本人に成りすました形で契約したことはもちろん好ましいことではないが、相手方に、契約当事者を明らかにしている以上、有効な取引と扱われることになる。

*民法100条では、代理人が「本人のためにすることを示さない」意思表示は、「自己のためになしたものとみなす。」としている。
相手方に、契約者は誰かをはっきり示さなければ、意思表示した者が責任をとらなければならないということである。




◎顕名
顕名とは、代理人が、本人のために代理行為をすることを、相手方に明らかにすること。

◇顕名は、通常「A代理人B」と表示する。
◇代理人が本人の名で、本人が行為をするような外観で行為した場合も、顕名を満たす(署名代理)→法律効果は、直接本人に帰属する。

◇本人のためにすることを示さずに行った意思表示は、代理人が自分のためにした行為とみなされる(代理行為にならない)

◇この場合でも、相手方が、「本人のためにすること」を知り、また知ることができたときは、例外として、代理行為は有効となる。

◎代理権の種類
◇代理権の種類
◇法定代理
本人の意思に基づかず、法律規定によって代理権を与えるもの
(代理権の範囲は、法律の定める通りとなる)

◇任意代理
本人が、自らの意思で、他人に代理権を与えるもの
(代理権の範囲は、代理権授与行為の内容で決まる)

◎代理人の能力
代理人の行為能力は不要

◇民法102条
代理人は、行為能力者であることを要しない。

◇制限行為能力者でも、代理人になれる。
◇未成年者でも、代理人になれる。

◎復代理
復代理とは、代理人が、自分の権限内の行為を行わせるため、「自己の名で」さらに代理人を選任し、本人を代理させること。

◇法定代理
◇復任権
常にあり

◇代理人の責任
◇原則
全責任

◇やむを得ない理由で代理人を選任したとき
→選任、監督上の責任のみ

◇任意代理
◇原則
なし

①本人の承諾を得たとき
②やむをえない事情があるとき
→①または②の場合にのみ、復代理人を選任できる

◇代理人の責任
◇原則
選任、監督上の責任
本人の指名で選任したときは、不適任、不誠実を知って、本人に通知、解任することを怠った場合の責任

*代理人は、復代理人を選任しても、代理権を失わない。
(代理人と復代理人が、同等の立場で、本人を代理する)

◎代理権の濫用
「代理権の濫用」とは、代理人が、代理権の範囲内で代理行為をしたけれども、代理人が内心では、「自己」または「第三者」の利益を図る意図をもって、代理権を行使することをいう。

◇代理権の濫用の場合の効果
◇代理権の濫用とは
代理人が、「自己」又は「第三者」の利益を図る意図をもって、代理行為をしたこと

◇効果
相手方が、代理権濫用の意図を知っている、知り得た場合
→代理行為を無効(効果は、本人に帰属しない)

◎代理行為の瑕疵
代理行為における本人の意思の不存在、詐欺、脅迫、ある事情を知っていたこと、知らなかったことなど、意思表示の効力に影響を与える場合、(代理行為の瑕疵)その事実の有無は、代理人について判断する。
→代理人の詐欺による契約を、相手方は、本人に対して取り消すことができる。

◇ただし、本人の指図によって特定の代理行為がされた場合は、代理人がある事情を知らなくても、本人が知っていれば、本人は、代理人の不知を主張することができない。

◎自己契約の禁止
代理による契約について考える場合、「本人」「代理人」「相手方」という3社の立場が必要となる。
この3者は、常に別人でなければならないのか、兼務することは可能か?ということが問題として出てくる。
上記ケースでは、「本人A」に対し、「代理人=相手方B」という形である。
民法108条は、これを禁じている(自己契約)。
なぜなら、Bが自己の利益を優先させ、代理権を授与した本人Aの利益が損なわれる可能性が高いからである。
また、民法108条は、「本人」「相手方」「本人と相手方双方の代理人」という形も禁じている(双方代理)。
相手方も、代理権を授与した本人であり、どちらかの本人の利害が損なわれる可能性があるからである。

◎自己契約の効力
では、法律上禁じられている自己契約がなされてしまった場合どうなるか?
この場合h、狭義の「無権代理」行為ということになる。
つまり、本人が、これを「追認」すれば、有効な契約となるが、追認が得られない場合は、代理人として行為した者が「無権代理人」の責任を負うことになり、相手方の選択に従い、相手方の選択に従い「履行又は損害賠償」の負担を負う。
ただし、以下の場合は、形の上で「自己契約」「双方代理」であっても、例外として認められるとしている。
「債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない」
売買代金の支払いや目的物の引渡しなどの「債務の履行」は、新たな利害関係を生じさせるものではなく、「本人が許諾した行為」も問題がない。
無権代理行為として問題となるのは、新たな利害関係が生じる行為を、本人の許諾なく行うことにあると言える。

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◆無権代理と表見代理
◎代理人の「代理行為」
◇代理権なし
→無権代理
→本人に代理行為の効果は帰属しない

①代理権の授与表示
②権限外の行為
③代理権消滅後の行為
 +
相手方の善意、無過失
→表見代理
→本人に代理行為の効果は帰属する(拒めない)

◆無権代理
◎民法113条
代表権を有しない者が、他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を有しない。

無権代理とは、代理人によって代理行為がなされたにもかかわらず、代理人に代理権がない場合をいう。
→本人に契約の効果は帰属しない。

◎本人が取り得る手段は、
①追認、②追認拒絶がある。

◎相手方が取り得る手段は、
①催告、②取り消し、③無権代理人の責任追及、④表見代理の主張がある。

◎本人が取り得る手段
◇追認
代理行為の効果は、本人に帰属する
(効果は、最初にさかのぼる)

◇追認拒絶
代理行為の効果は、確定的に本人帰属しないことになる

◎相手方が取り得る手段
◇催告
追認するかしないかの催促
善意、悪意を問わず行使できる

◇取り消し
相手方が一方的に、無効なものとして確定する
①善意
②本人の追認がない

◇無権代理人の責任追及
無権代理人に、履行または損害賠償を請求する
①善意、無過失
②本人の追認がない
③取消権を行使していない
④無権代理人が行為能力を有する

*表見代理を主張することもできる。
*無権代理行為を行った者が制限行為能力者(未成年者、成年被後見人等)の場合、相手方は、催告、取消しができるが、善意、無過失であっても、履行の請求、損害賠償請求はできない。

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◆表見代理
表見代理とは、外見的に代理権があると信じさせる「特定の事情」がある場合、有権代理と同様の効果を認める制度。
→本人は、効果帰属を拒めない。

◎表見代理が成立する要件
①本人の代理権授与表示
②権限外の行為
③代理権消滅後の代理行為
 +
相手の善意無過失

「①~③のいずれか+相手の善意無過失」以外では、表見代理は成立しない。

①代理権授与の表示による表見代理
1、他人に、代理権を与えた旨を表示したこと
2、表示された人が、表示された代理権の範囲内で代理行為をしたこと
3、相手方の善意無過失

②権限外の行為の表見代理
1、基本代理権の存在
2、代理人が、基本代理権の範囲を逸脱して代理行為をしたこと
3、相手方に、その代理権ありと信ずべき正当な理由があること

③代理権消滅後の表見代理
1、かつて代理権を有した者の代理行為
2、相手方が、代理権の消滅について善意無過失

◎相手方が取り得る手段
①表見代理の主張
②無権代理人の責任追及
③取消権の行使



 

 

 

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