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行政手続法:不利益処分とは・・


行政庁は、処分基準を定め、かつ、これを公にしておくよう努めなければならない。

◆不利益処分の概要
◎不利益処分とは
不利益処分とは、行政庁が、法令に基づき、特定の者を名あて人として、直接に、これに義務を課し、またはその権利を制限する処分をいいます。
ただし、次に掲げる処分については不利益処分から除外されています。

①事実上の行為および事実上の行為をするにあたり、その範囲、時期等を明らかにするために法令上必要とされる手続としての処分
②申請により求められた許認可等を拒否する処分その他申請に基づき当該申請をした者を名あて人としてされる処分
③名あて人となるべき者の同意の下にすることとされている処分
④許認可等の効力を失わせる処分であって、当該許認可等の基礎となった事実が消滅した旨の届出があったことを理由としてされるもの

◎不利益処分の問題点
行政庁による不利益処分が恣意的になされたり、また不利益を受ける者に弁明の機会を与えずになされると不当な結果となることがあります。そこで、行政手続法は、①処分の基準をします、②意見陳述の機会を与える、③不利益処分の理由を提示する、④重大な不利益処分の場合の聴聞や、⑤通常の不利益処分の場合の弁明という手続を定めています。

◆処分基準
行政庁が処分をするにあたり、恣意性、独断性、偏見性をもった発動とならないように、公正かつ平等な処分を担保する必要があります。そこで、行政庁は処分基準を定め、公表するように努めなければならないとされています。

◆意見陳述手続
意見陳述手続は、不利益処分を課せられる者が自らの言い分を述べる手続です。
違憲陳述のための手続は、当該不利益処分の対象となる者の防御権の保障という観点から、手続の公正を確保する重大な手段となるのです。
違憲陳述手続には、①原則として口頭で意見陳述をする聴聞と、②原則として書面で意見陳述をする弁明の機会の付与とがあります。
なお、緊急の必要があるときなど、一定の場合には、例外的に意見陳述の手続がとられず不利益処分がなさえれることがあります。

◎行政手続法13条1項
「行政庁は、不利益処分をしようとする場合には、次の各号の区分に従い、この章の定めるところにより、当該不利益処分の名あて人となるべき者について、当該各号に定める意見陳述のための手続を執らなければならない。
一、次のいずれかに該当するとき 聴聞
イ、許認可等を取り消す不利益処分をしようとするとき。
ロ、イに規定するもののほか、名あて人の資格又は地位を直接にはく奪する不利益処分をしようとするとき。
ハ、名あて人が法人である場合におけるその役員の解任を命ずる不利益処分、名あて人の業務に従事する者の解任を命ずる不利益処分又は名あて人の会員である者の除名を命ずる不利益処分をしようとするとき。
ニ、イからハまでに掲げる場合以外の場合であって行政庁が相当と認められるとき。
二、前号イからニまでのいずれにも該当しないとき 弁明の機会の付与


◆理由の提示
行政庁が不利益処分をする場合には、その理由が存在します。これを明らかにさせることによって、行政庁が行う判断の公正と慎重さを確保することにしたのです。そこで、理由の提示が原則として必要とされています。

◎行政手続法14条
「1、行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。
2、行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。
3、不利益処分を書面でするときは、前2項の理由は、書面により示さなければならない。」


◆聴聞
◎通知
聴聞を開始するには、不利益処分の対象者にまず、何について、いつまでに、どのように防御できるかを知らせて準備をさせなければなりません。そこで、行政庁は聴聞を行う場合に、不利益処分の対象者に対して、一定事項を書面によって通知をすることとしました。

◇行政手続法15条1項
「行政庁は、聴聞を行うに当たっては、聴聞を行うべき期日までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一 予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
二 不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
三 聴聞の期日及び場所
四 聴聞に関する事務を所掌する組織の名称及び所在地

◎代理人
聴聞の場で意見の陳述をする場合に、不利益処分の対象である本人はもとより、本人が代理人を利用dけいれば、さらに防御権を強力に行使できます。
たとえば不利益処分の対象となっている分野の専門家や弁護士に依頼することになります。そこで、代理人の選定に関する規定を設けています。

◇行政手続法16条
「1、前条(15条)第1項の通知を受けた者(同条第3項後段の規定により当該通知が到達したものとみなされる者を含む。以下「当事者」という。)は、代理人を選定することができる。
2、代理人は、各自、当事者のために、聴聞に関する一切の行為をすることができる。
3、代理人の資格は、書面で証明しなければならない。
4、代理人がその資格を失ったときは、当該代理人を選定した当事者は、書面でその旨を行政庁に届け出なければならない。」

◎参加人
不利益処分に関し一定の利害関係を有する者について、その利益を守るために手続にかかわらせる必要性があります。そこで、このような者も手続に関与することを認めています。また、参加人は資料の閲覧を求めることができます。

◇行政手続法17条
「1、第19条の規定により聴聞を主宰する者(以下「主催者」という。)は、必要があると認めるときは、当事者以外の者であって当該不利益処分の根拠となる法令に照らし当該不利益処分につき利害関係を有するものと認められる者(同条第2項第6号において「関係人」という。)に対し、当該聴聞に関する手続に参加することを求め、又は
当該聴聞に関する手続に参加することを許可することができる。
2、前項の規定により当該聴聞に関する手続に参加する者(以下「参加人」という。)は、代理人を選定することができる。
3、前条(16条)第2項から第4項までの規定は、前項の代理人について準用する。この場合において、同上第2項及び第4項中「当事者」とあるのは、「参加人」と読み替えるものとする。」

◇行政手続法18条1項
「当事者及び当該不利益処分がされた場合に自己の利益を害されることとなる参加人(以下この条及び第24条第3項において「関係人」という。)に対し、当該事案についてした調査の結果に係る調書その他の当該不利益処分の原因となる事実を証する資料の閲覧を求めることができる。この場合において、行政庁は、第三者の利益を害するおそれがあるときその他正当な理由があるときでなければ、その閲覧を拒むことができない。」

◎聴聞の主宰
聴聞手続は、主宰者すなわち審理をする者と、行政庁すなわち処分をする者とを分離して、別々の機関としました。これはあたかも、刑事事件において、逮捕して処罰をする司法行政と、裁判で審理をする裁判所が別々の機関となっているのと同様に、考えられます。
第三者機関である主宰者の下に、処分をする行政庁と、不利益処分の対象となる当事者とが対等の立場に置かれ、裁判のような形式で審理が進められます。

◇行政手続法19条
「1、聴聞は、行政庁が指名する職員その他政令で定める者が主宰する。
2、次の各号のいずれかに該当する者は、聴聞を主宰することができない。
一、当該聴聞の当事者又は参加人
二、前号に規定する者の配偶者、四親等内の親族又は同居の親族
三、第1号に規定する者の代理人又は次条第3項に規定する補佐人
四、前3号に規定する者であった者
五、第1号に規定する者の後見人、後見監督人、保佐人、保佐監督人、補助人又は補助監督人
六、参加人以外の関係人」


◎聴聞の期日における審理の方式
聴聞の期日における審理の方式について具体的に定め、行政庁側の職員と不利益処分の当事者などとのやりとりを聴きながら、審理が進められます。
ただ、裁判の原則とは違い、聴聞における審理は原則として、非公開です。
しかし、例外的に行政庁の裁量により公開が相当と認められれば公開とされます。

◇行政手続法20条
「1、主宰者は、最初の聴聞の期日の冒頭において、行政庁の職員に、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項並びにその原因となる事実を聴聞の期日に出頭した者に対し説明させなければならない。
2、当事者又は参加人は、聴聞の期日に出頭して、意見を述べ、及び証拠書類等を提出し、並びに主宰者の許可を得て行政庁の職員に対し質問を発することができる。
3、前項の場合において、当事者又は参加人は、主宰者の許可を得て、補佐人とともに出頭することができる。
4、主宰者は、聴聞の期日において必要があると認められるときは、当事者若しくは参加人に対し質問を発し、意見の陳述若しくは証拠書類等の提出を促し、又は行政庁の職員に対し説明を求めることができる。
5、主宰者は、当事者又は参加人の一部が出頭しないときであっても、聴聞の期日における審理を行うことができる。
6、聴聞の期日における審理は、行政庁が公開することを相当と認めるときを除き、公開しない。

◎陳述書等の提出
聴聞の期日に当事者や参加人が病気等で出頭できない場合に備えて、これらの者の防御権行使を保障するため、陳述書等の提出権、つまり書面による防御権行使が認められています。

◇行政手続法21条
「1、当事者又は参加人は、聴聞の期日への出頭に代えて、主宰者に対し、聴聞の期日までに陳述書及び証拠書類等を提出することができる。
2、主宰者は、聴聞の期日に出頭した者に対し、その求めに応じて、前項の陳述書及び証拠書類等を示すことができる。」

◎続行期日の指定
聴聞は、1回で終了する場合もあれば、数回実施しなければ判断材料が十分出揃わない場合もあります。
主宰者としては、もっと行政庁や当事者の言い分を聴きたいという場合です。
このような場合に備えて、一定の要件の下に、聴聞が続行されることがあり、その手続が定められています。

◇行政手続法22条1項
「主宰者は、聴聞の期日における審理の結果、なお聴聞を続行する必要があると認めるときは、さらに新たな期日を定めることができる。」


◎聴聞調書および報告書
不利益処分の原因となる事実の認定が主宰者によって適正になされることが必要です。
これを手続面から保障するため、聴聞調書と報告書という書類の作成を、主宰者に義務づけました。
当事者および関係人に、これら聴聞調書と報告書の閲覧権を与え、これらの者が自己の主張が主宰者に正しく届き、公正な表を得たかを検証することができるのです。

◇行政手続法24条
「1、主宰者は、聴聞の審理の経過を記載した調書を作成し、当該調書において、不利益処分の原因となる事実に対する当事者及び参加人の陳述の要旨を明らかにしておかなければならない。
2、前項の調書は、聴聞の期日における審理が行われた場合には各期日ごとに、当該審理が行われなかった場合には聴聞の終結後速やかに作成しなければならない。
3、主宰者は、聴聞の終結後速やかに、不利益処分の原因となる事実に対する当事者等の主張に理由があるかどうかについての意見を記載した報告書を作成し、第1項の調書とともに行政庁に提出しなければならない。
4、当事者又は参加人は、第1項の調書及び前項の報告書の閲覧を求めることができる。」

◎聴聞の再開
終結した聴聞が再開される場合があります。

◇行政手続法25条
「行政庁は、聴聞の終結後に生じた事情にかんがみ必要があると認めるときは、主宰者に対し、前条(24条)第3項の規定により提出された報告書を返戻して聴聞の再開を命ずることができる。第22条第2項本文及び第3項の規定は、この場合について準用する。」


◎不利益処分の決定
聴聞の結果、当事者に対して不利益処分がなされることがあります。
その場合も、行政庁は、聴聞手続において出された主宰者の意見を尊重して不利益処分をなすべきだとされています。

◇行政手続法26条
「行政庁は、不利益処分の決定をするときは、第24条第1項の調書の内容及び同条第3項の報告書に記載された主宰者の意見を十分に参酌してこれをしなければならない。」

◎審査請求の制限
聴聞手続において、主宰者は、行政手続法の規定に基づきさまざまな行為を行います。
これが処分や不作為に該当すれば、本来、当事者は、行政不服審査法に基づいて、当該処分または不作為について審査請求をすることができるはずです。
しかし、聴聞手続の過程でなされた処分や不作為にいちいち審査請求を認めていては、手続は遅延し、事務の負担も増加します。
また、聴聞手続の過程でなされた処分や不作為にいちいち審査請求を認めなくても、当事者は、聴聞の結果なされた不利益処分については、審査請求により不服を申し立てることができます。そこで、行政手続法は、聴聞の過程における、行政手続法の規定に基づく処分またはその不作為については、審査請求を認めないこととしています。

◇行政手続法27条
「この節(第2節 聴聞)の規定に基づく処分又は不作為については、審査請求をすることができない。」


◆弁明の機会の付与
重大な不利益処分には上述の聴聞の手続がとられるのに対し、重大ではない不利益処分には弁明の機会が付与されます。
弁明の機会の付与は、聴聞に比べ簡易な手続となっています。

◎通知
行政庁は、不利益処分の名あて人に自分の権利利益を防御させるため、いつまでにどのような形で弁明すべきかを、通知により示します。

◇行政手続法30条
「行政庁は、弁明書の提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その日時)までに相当な期間をおいて、不利益処分の名あて人となるべき者に対し、次に掲げる事項を書面により通知しなければならない。
一、予定される不利益処分の内容及び根拠となる法令の条項
二、不利益処分の原因となる事実
三、弁明書の提出先及び提出期限(口頭による弁明の機会の付与を行う場合には、その旨並びに出頭すべき日時及び場所)

◎弁明の機会の付与の方式
聴聞とは違い、原則として書面を提出して弁明させます。
例外として口頭での弁明を認めるという方式を定めています。

◇行政手続法29条
「1、弁明は、行政庁が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする。
2、弁明をするときは、証拠書類等を提出することができる。」




 

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(記事作成日、平成29年3月30日)



 

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